総務省では「電子メール」がウイルス感染のルートになるとして注意喚起をしています。
「ウイルスメールなんて古い手口に引っかからないでしょ」という方もいると思いますが、メールからのウイルス感染は年々巧妙化しており、油断していると思わぬ被害に遭うかもしれません。
今回は、メールからのウイルス感染の予防法とウイルスメールを見破るコツ、感染するとどうなるのかについてご紹介します。万が一が起こらないよう、ぜひチェックしてみてください。
1.メールからウイルス感染すると…?
ウイルスと一括りにしていますが、世界中にはそれこそ数え切れない種類のウイルスが存在しています。毎日新種が発見されるほどで、すべてのウイルスと被害を把握するのは不可能です。
そこで、ここではメールによくあるウイルス感染の被害についてまとめてみました。
- 感染したままメールを送信して、周りにまでウイルスをばら撒いてしまう
- 感染したパソコンを遠隔操作され、ウイルスメールの送信元にされてしまう
- ウイルス感染によりパソコンに高負荷がかかり動作が停止してしまう
- ウイルス感染によりパソコンが乗っ取られてしまい情報が盗まれてしまう
- ウイルス感染したことでパソコンのデータが破壊、または削除されてしまう
上記からわかる通り、メールからウイルス感染すると自分だけでなく周りにまで被害を及ぼす危険があります。もしその周りが仕事の関係者だとしたら、社会的な信用まで失ってしまうでしょう。
「ウイルスメールくらい…」と甘く考えているのであれば、今すぐ改めることをおすすめします。
2.メールからのウイルス感染の予防法
メールからのウイルス感染が侮れないことはご理解いただけたことでしょう。だからと、何から始めればいいか分からない方も多いと思いますので、次にウイルス感染しないための予防法をご紹介します。
ソフトウェアを最新の状態に保つ
OS(コンピュータを制御するプログラム)やソフトウェアには度々「セキュリティホール(プログラムの弱点)」が発見されます。セキュリティホールは感染のリスクを上げる危険なものです。
そこで開発会社はセキュリティホールを発見次第、修正プログラムを随時公開しています。これはメール関係のソフトウェアも同様で、リスクを上げないためにも定期的に更新することが大切です。
HTMLメールは基本的に使わない
HTMLメールはHTML(プログラミング言語の一種)を用いることで文字の色や大きさ、イラストや写真を挿入できるなど自由度の高い便利なメール形式として一時期とても流行りました。
しかし、同時にこの自由度の高い形式を悪用したウイルスも広まっています。ただメールを開いただけでウイルス感染する事例も報告されているので、基本的に送らない・開かないのが安心です。
不審なメールは開かずに処分する
一般的にウイルスメールは見知らぬ相手(件名)から送られてくることが多いので、スパムメール(迷惑メール)と同様に開かないかそのまま削除してしまえばまずウイルス感染はしません。
ただ、最近ではその手口が巧妙化しており、取引先や知り合いを装ったものも増えています。その為、もし知り合いからであっても不審な点があれば直接相手に連絡を取るなど確認をしましょう。
3.ウイルス付きメールを見破るコツ
最近では日本郵便のように有名企業のメールアドレスや件名に似せたウイルスメールも確認されており、ますます判断が難しくなりました。そこで、ウイルス付きかどうか見破るコツをご説明します。
ウイルス対策ツールと導入する
ウイルス対策の第一歩は「ウイルス対策ツール(セキュリティソフト)」の導入です。
これはメールについても同様で、ウイルス対策ツールを導入しておけば送られてきたメールにウイルスが仕込まれていないか確認できますし、ツールによってはそのままウイルスの削除までできます。
※ウイルス対策ツールも定期的に最新版が発表されるので、更新作業は怠らないようにしましょう。
よくある件名を知っておく
ウイルスメールは巧妙化しており、取引先や知り合い、有名企業を装ったものが増えているとのことでした。しかし、それらメールにも不審な点はあるもので、例えば以下のような件名は要注意です。
- ●●●●(実在の組織名)より:ご注文ありがとうございました
- ●●●●(仕事に関連する商品)請求書をお送りします
- ●●●●(仕事に関連する業務)のご確認をお願いいたします
中でも配達、請求、確認に関係する件名のものに集中している傾向にあります。たとえありそうな件名であっても、心当たりのないものに関しては事実関係を確認してから開くことをおすすめします。
本文内の違和感を意識する
件名から発見できればいいのですが、ありそうな件名だと判断の難しいこともあると思います。そこで、本文の内容からでも判断できる違和感、チェックポイントを以下にまとめてみました。
- 宛先(●●様)が書かれていない
- 署名(送り主の情報)が書かれていない
- 添付ファイルが二重拡張子(●●jpg.zip)
宛先、署名が書かれていないものはまずビジネスメールではありません。もし取引先や同僚、有名企業からのメールにも関わらずこれらが抜けていた場合はウイルス付きと判断してください。
※ただ、相手がビジネスメールの基本ルールを知らずに送ってきている場合もあります。
4.まとめ
メールからのウイルス感染は昔からある手口ですが、最近はより巧妙化しています。
取引先や知り合い、有名企業を装ったものも増えているので「ありそうな件名」だからと安易に開くのは危険かもしれません。とくに配達、請求、確認に関係する件名のものは要注意です。
誰からのメールでもまずは疑ってみて、必要に応じて確認を取ってから開くようにしましょう。
今回紹介した予防法、見破るコツを押さえてメールからのウイルス感染を防いでくださいね。