ルーターとはデバイス(パソコンやスマホなど)とネットワークを中継するための通信機器です。
「ウイルス感染」と聞くとデバイスをイメージすると思いますが、実はルーターも感染することがあります。むしろセキュリティが甘くなりやすいことから、ルーターが狙われることも増えてきました。
今回はルーターがウイルス感染したときの確認方法、感染させないための対策についてご紹介しましょう。ルーターがウイルス感染したときのリスクにも触れていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
1.ルーターのウイルス感染の確認方法
デバイスとは異なり、ルーターは一度設置するとあまり触ることがないと思います。これもまたルーターが狙われる原因のひとつです。では、ルーターのウイルス感染の確認方法をご説明しましょう。
確認方法1:不自然なメッセージが表示される
デバイスからブラウザ(GoogleやYahoo!など)を立ち上げたとき、画面上に「Facebook拡張ツールバッグを取付て安全性及び使用流暢性を向上します。」のように表示されることがあります。
一見するとブラウザ側が気を利かせて使いやすく設定してくれているように思いますが、実はこれルーターがウイルス感染したときによく見られる不自然なメッセージのひとつなのです。
他には「閲覧効果を良く体験するために、最新Chromeバージョンへ更新してください。」と表示されるものも確認されており、もしこれらメッセージや類似するものが表示されたときは要注意です。
確認方法2:通信速度が著しく低下している
ルーターもまたパソコンやスマホなどのデバイスと同様に「コンピューター」の一種です。そして単調な機能に絞って設計されていることから、他のコンピューターに比べて処理能力は高くありません。
ウイルスは基本的にコンピューターの情報量、処理量を増やします。その為、そもそも能力のあまり高くないルーターがウイルス感染するとさらに処理能力が低下し、通信速度は著しく低下するのです。
例えば、動画を視聴するとして普段であれば10秒でダウンロードできていたとしましょう。それがもし30分、1時間経ってもダウンロードが進まないのは明らかに不自然でウイルス感染を疑います。
確認方法3:ルーターが頻繁に停止してしまう
先述したように、他のコンピューターに比べてルーターの処理能力はそれほど高くありません。だからこそウイルス感染するとさらに処理能力が低下し、一向に通信が進まなくなります。
そして、ウイルスの種類によってはさらにルーターの処理能力を圧迫することがあり、ルーターが処理しきれなくなると機能そのものが停止します。機器を守るために安全装置が働いた状態ですね。
本来、ルーターは24時間365日稼働しても大丈夫なように設計されています。故障以外で勝手に停止してしまうのはそもそも不自然な事態なので、ウイルス感染の可能性は十分に考えられる訳です。
2.ルーターに今すぐできるウイルス対策
ルーターがウイルス感染したかの確認方法は「ネットワークの接続状態」でおよそ分かるとのことでした。ただ、そもそも感染しないのがベストなので、ここからはウイルス対策をご説明しましょう。
パスワードを設定する
ルーターが狙われる1番の理由は「パスワードの未設定(または初期のまま)」にあります。使用されているルーターの半数近くがいまだ未設定というデータもあるほどで、そもそも無防備なのです。
であれば、管理画面からパスワードを設定してあげればかなりの効果が期待できます。さらに、可能であれば2,3ヶ月に1回のペースでパスワードを変更すれば、セキュリティをより強化できるでしょう。
接続デバイスを限定する
ルーターによっては接続するデバイスを限定できるものもあります。例えば、家族のパソコンやスマホをあらかじめ登録しておけば、他人が勝手に接続しようとしてもルーター側が拒否してくれるのです。
一般的にルーターのウイルス感染は他人のデバイスを接続したことで発生します。そもそも接続できなければ感染しないわけで、もし接続するデバイスが決まっているのなら設定しておくと安心です。
暗号化方式WPA2を使用する
現在、ルーターで使用される主な暗号化方式は「WEP」と「WPA2」の2種類です。WEPは昔からある暗号化方式で、実はすでに解析方法が広まっていて暗号化してもあまり効果はありません。
WPA2は一部脆弱性が発見されたものの、現状の暗号化方式としてもっとも安全性が高いです。もしルーターの暗号化方式がWEPのままなのであれば、WPA2に変更することをおすすめします。
3.まとめ
ルーターもウイルス感染する可能性があり、今回はその確認方法についてまとめてきました。
「ルーターを狙って何か得があるの?」と思った方も多いのでは?
確かに、パソコンやスマホなどのデバイスと比べてルーターに重要情報は記録されていませんが、代わりに様々な情報が通過します。ルーターを中継地にすればそれら情報を自由に盗聴できる訳です。
デバイスとは違って、ルーターは一旦設置するとその後の管理まではあまり意識されません。今回の記事からぜひルーターにも関心を持って、必要なセキュリティ対策を検討してみてくださいね。